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筆ができるまで

奈良筆の特徴や製作工程は次の通りです。筆の原料は、羊毛、イタチ、馬尾、狸、鹿、等の動物の毛を用います。

奈良筆の特徴は「練り混ぜ法」です。原毛を個別に水に浸して固め、その筆の特徴によって、配分と寸法を決めて

入念に混ぜ合わせる為、穂先の仕上がりに絶妙の味を持った筆が生まれます。

奈良筆の特徴や製作工程は次の通りです。筆の原料は、羊毛、イタチ、馬尾、狸、鹿、等の動物の毛を用います。

奈良筆の特徴は「練り混ぜ法」です。原毛を個別に水に浸して固め、その筆の特徴によって、配分と寸法を決めて

入念に混ぜ合わせる為、穂先の仕上がりに絶妙の味を持った筆が生まれます。

筆の制作工程

毛組

1. 毛組

原毛を筆の細・太・柔・剛・長・短等の用途別に分類します。選別した毛を先の毛・のど毛・腰毛等に選別します。

抜き上げ

2. 抜き上げ

原毛にくしを入れて綿毛を取り除きよく混ぜ合わせます。

毛揉み・つめ抜き

3. 毛揉み・つめ抜き

もみ殻を焼いて作った灰を毛に振りかけ、鹿皮で毛を巻きアイロン等で熱を加え、油分を取り除き毛の癖を直す為によく揉みます。
くせの直った毛を指先で少しずつ抜き取り、毛先を揃え、準備します。

先揃え・逆毛取り

4. 先揃え・逆毛取り

揃えた毛を更に手金と手板を使い毛先を揃えます。又、刃のない小刀で先の無い毛を取り除きます。
はんさし(刃のない小刀)で悪い毛を取り除きます。

さらえ出し(浚え出し)

5. さらえ出し(浚え出し)

動物は土の上に寝転がったりしての生活ですので、
どうしても毛が土に触れて毛先がなくなります。
先の無い毛は筆には成らないので、その様な毛を取り出す作業を行います。

平目

6. 平目

先揃えした毛を水に浸し平たく整えます。

形つけ

7. 形つけ

命毛に喉毛・腰毛を各寸法に切り段々に組み合わせ形を整えます。筆作りの中で一番大切な作業です。

練り混ぜ

8. 練り混ぜ

重ね合わせた毛をむらの無いように入念に「練り混ぜ」を繰り返し、先の悪い毛を除去します。

芯立て

9. 芯立て

練り混ぜた毛に糊を加え穂の太さに分けて、コマという筒に毛を通して太さを決めます。そして自然乾燥をします。

上毛着せ

10. 上毛着せ

薄く伸ばした化粧毛を海苔巻きの様に芯毛に巻き付けます。

苧締め

11. 苧締め

乾燥した穂の根本を麻糸で縛り、尻を焼きゴテで焼き強く締めます。この作業で穂首が出来上がります。

繰込み

12. 繰込み

筆軸の内部を小刀で削り、穂を接着剤で、取り付けます。

仕上げ

13. 仕上げ

筆に布海苔(ふのり)を十分しみ込ませ、糸を巻き余分な布海苔を絞り出し、形を整え乾燥させます。
それにサヤをかけ、軸に筆名等を彫刻して完成します。