2025.2.21
兼毫筆(けんごうしつ)について

奈良は吉野山の筆作家・仲谷です。奈良筆の通販を通じて全国の皆さまに手作り筆の良さをお伝えしたいと思っております。本日は兼毫筆について詳しくお話します。兼毫筆(けんごうしつ)は、毛筆の一種で、筆先に異なる種類の毛が組み合わされているものを指します。主に、羊毛と豚毛または馬毛などの毛を組み合わせることで、筆の特性を調整し、より多彩な書き味を実現しています。このように複数の毛が使用されることで、柔らかさと硬さを兼ね備え、細かい部分と力強い筆致の両方を表現できるため、非常に人気があります。
特徴
柔軟性とコントロール: 羊毛などの柔らかい毛を使用することで、筆に柔軟性が生まれ、細かな文字や線を描く際に非常に有利です。
耐久性: 馬毛や豚毛など、硬めの毛が含まれることで、筆の耐久性が高まり、長時間の使用にも耐えます。
多用途: 兼毫筆は、書道に限らず、絵画やカリグラフィーなどのアートにも適しています。細い線から太い線、またはさまざまな表現が可能で、作業の幅を広げます。
使用場面
書道: 筆の使い方によって、文字の太さや筆圧の調整が容易になるため、書道で特に重宝されます。
絵画: 特に中国画や日本画において、繊細な線と大胆な筆致を表現するために使われます。
カリグラフィー: 文字の美しさを引き立てるために、兼毫筆の特性が活かされることもあります。
メンテナンス
兼毫筆は異なる毛が混ざっているため、手入れがやや難しい場合があります。使用後は毛が絡まりやすいため、優しく洗い、形を整えて乾燥させることが大切です。
兼毫筆は、柔軟性と耐久性を兼ね備えた特殊な毛筆で、羊毛と豚毛や馬毛など異なる種類の毛を組み合わせて作られています。これにより、細かい部分から力強い筆致まで幅広い表現が可能で、書道や絵画、カリグラフィーなどで広く使用されています。使いこなすには多少の手入れが必要ですが、その多用途性と高い書き味の特性から、プロフェッショナルにも愛用されています。
奈良筆の通販・三省堂筆店
筆作家・仲谷省三
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